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女性の健康コラム


女性と喫煙 ~喫煙者はピルを使えない~

 喫煙の害はあちこちで言われていますので、今更と思う方もおられると思いますが、男性以上に女性には害が大きいということはご存じでしょうか。女性でたばこを吸う人は男性に比べて少なく、平成26年の厚生労働省の調査では、男性32.1%に対し、女性は8.5%でした。しかし、年齢別にみると、20代11.8%、30代14.2%、40代12.8%、50代12.2%といずれも2桁で平均12.7%、若い世代の8人に1人は喫煙者ということになり、必ずしも少ないとはいえません。
 今回はピルと喫煙についてまとめてみました。


「喫煙者はピルを使えない」

○ ピルを使う目的

 ピルは避妊目的に使うものだと考えておられる方が多いと思います。その成分は卵巣で作られる2つのホルモン、エストロゲンとプロゲステロンでできており、服用することにより卵巣からの排卵を抑制し避妊作用をもつのですが、同時に、次に挙げるような効用を目的に服用する場合もすくなくありません。

  • ・月経困難症(月経痛)の軽減
  • ・月経血量の減少による貧血の改善
  • ・月経不順の改善
  • ・子宮内膜症の予防と改善
  • ・月経前症候群(PMS)の軽減
  • ・にきび、多毛などの改善
  • ・更年期症状、骨粗鬆症の予防

○ ピルの副作用

 日本でのピルの使用率は約3%と言われ、諸外国に比べて著名に低いと言われています。その理由の一つが、ピルがもつ副作用と思われます。ピルの重大な副作用に、エストロゲンのもつ血液凝固能の異常に由来する静脈血栓症、肺塞栓症があります。初期のピルは特に副作用が問題になりましたが、エストロゲン量の少ない現在の低容量ピル(OC)が開発されてからは、リスクは半分以下に下がり、今使われているピルはほとんどがこのOCです。しかし、肥満や加齢、喫煙、血栓ができやすい体質などがある人は要注意です。

○ 喫煙者はピルを使わない方がいい

 月経周期の乱れや月経困難症は女性喫煙者に起こりやすく、閉経も1~2年早くなることがわかっています。また、喫煙者はあらゆる年齢層で疾患罹患率、死亡率が高く、血小板や血液凝固因子に対して血液凝集を促進する作用をもち、ピルとの併用でより危険性が高まることが分かっています。疫学調査では、25歳以下の喫煙者では、OC服用者と非服用者の間に死亡率の大きな差はありませんが、25歳以上になると徐々に差が大きくなり、35歳以上では顕著な差が出るとのことです。喫煙量では、1日15本以上の喫煙者で有意に死亡率が増加しています。従って、35歳以上、のヘビースモーカー(1日の喫煙数15本以上)にはピルは禁忌とされています。
 しかし、35歳未満、15本未満の喫煙者はOCを使っていいかというと、長いライフスパンを考慮すると、喫煙者にはOCは処方しない、OC服用なら禁煙を勧めるべきでしょう。

○ 喫煙する更年期女性へのホルモン補充療法のリスクはOCよりも低い

 ピルと同様、更年期女性に行うホルモン補充療法も、エストロゲンとプロゲステロンを併用します。となると、喫煙女性は更年期になってもホルモン補充療法は禁忌でしょうか。これに対する正しい答は難しいのですが、ピルほど厳しく制限する必要はないという理由が2つあります。1つは、ホルモン補充療法で使うエストロゲンは天然型のエストロゲンで、OCに使われる合成エストロゲンの力価に比べ1/6~1/8と少ないので、リスクも低くなると考えられます。また、ホルモン補充療法ではパッチやジェルなど皮膚を通して吸収されるタイプがあり、これらを用いると血液凝固能への影響はほぼないと言われています。

妊娠・出産に適齢期はあるか

1.日本の高齢化・少子化の現状

 日本人、特に女性の平均寿命は1980年代より世界一を維持していることは世界に誇れることですが、一方で、2010-2015年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に出産する子供の平均数)は1.42人(OECD:主要統計「出生率」より)とOECD(経済協力開発機構)に加盟する34か国中29位、先進諸国の中では最低水準でした。その結果、日本の高齢者人口の増加率は著しく(図1)、それが今後どのような社会の変容をもたらすか、私たちはこれまでどこの国も経験したことのない未知の世界へ先陣を切ることになります。


図1.国立社会保障・人口問題研究所:人口統計資料集より


2.晩婚化と少子化

 少子化がここまで進んだのはなぜか、内閣府の少子化対策会議は、晩婚化・晩産化が主な要因であると述べています。

 男女とも加齢に伴い妊娠する能力が減衰し、妊娠中や分娩時のリスクや出生時のリスクが増加します。日本では妊娠に関わる知識が普及していないため、若い人が妊娠を急がない、そのために晩産化が進み妊娠できない人が増え、それが少子化の要因となっているということです。しかし、医療の進歩とともに不妊治療も進化を遂げ、結婚が遅くても子どもを授かったという方は身近にもおられると思います。

 しかし、いざとなれば不妊治療があるのだから、生理さえ順調にあれば子どもはできる、子どもを産む時期は自分のめざすキャリアの目途がつき、一段落してから考えようと思う方がおられたら、こんなはずではなかったということになりかねません。そこで、今回、内閣府の「少子化社会対策大綱の具体化に向けた結婚・子育て支援の重点的取り組みに関する検討会」の構成員の一人、国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター副センター長の齊藤英和先生がまとめられた妊娠・出産と不妊治療(生殖補助医療)に関する情報をみなさんにご紹介し、「そんなことなら早く聞いておきたかった」と言われる方が少しでも減ってくれればと考えています。


3.自然妊娠のしやすさと不妊治療の成功率

 年齢とともに妊娠しにくくなるというのはよく聞くことですが、それがどの程度かということを図2に示します。女性の年齢別に3グループで比較していますが、左が19-26歳、中央が27-34歳、右が35-39歳ですが、だんだん妊娠率が下がっていることが一目でわかります。しかも、女性の年齢だけでなく、男性も年を取るほど妊娠しにくくなることがわかります。


図2.年齢別に見た排卵と妊娠率の関係

 年齢の問題は、不妊治療の成功率にも影響します。図3は治療開始年齢により妊娠率を一人当たり、及び1回の治療当たりでみたものです。34歳以下では1回の治療で4回に1回、一人の人が繰り返して行われた場合の一人当たりの妊娠率は70%に近づきます。それが40歳以上になると1回の治療で成功する率は50回に1回、一人当たりの成功率は8人中1人ということになります。


図3.治療開始年齢別生産率


図4.治療開始年齢別流産率

 一方、生殖補助医療を受けた人の流産率(図4)は34歳以下では約14%ですが、40歳以上になると70%に上昇します。こうした現状をみますと、不妊治療が進歩したとはいえ、年齢が上昇すると成功する例は減るということがわかります。


4.妊娠に関わる知識を広めましょう。

 これまで、不妊治療に関してのデータを列挙しましたが、それ以前に、妊娠についての知識、つまり年齢が上がるほど妊娠しやすさは低下し、妊娠後のリスクが上昇するというようなことに関する知識が日本では十分教育されてこなかったということが分かっています。妊娠に関する知識の習得度についての調査によりますと、欧米の先進国では60%近い女性が習得しているのに対し、日本人の習得率は40%にも満たない低いレベルでした。


図5.結婚年齢と生涯不妊率


図6.母の年齢と周産期死亡率


 図5は女性の結婚年齢と生涯にわたる不妊率を示したものです。40台になると半数以上の人が生涯こどもができないということです。
 また、母の年齢と自然流産率の関係をみますと、34歳以下では10%程度ですが、35歳を越えると約20%、40歳以上で約40%となります。

 周産期死亡率(妊娠満22週以後の死産+早期新生児死亡)は図6に示しますように、25~29歳が最も低く、母の年齢が上がるにつれ死亡率も上がります。
 母の年齢と妊娠中の異常について、20~34歳を1とすると、40歳以上では、妊娠高血圧症候群は2.5倍、前置胎盤は3.5倍、胎盤早期剥離は1.5倍と増加します。

 このように母の年齢が40歳を越えると、生涯不妊、自然流産、児の周産期死亡率も著名に増加します。


5.より安全に子どもを産める時期は

 妊娠・出産、不妊治療に関する種々の調査結果を述べてきました。平均寿命がめざましい延長を遂げても、初経(月経の始まり)や閉経の年齢はそれほど変わらず、妊娠できる確率や妊娠中及び出産時のリスクなどを総合すると、生物学的にセットされた妊娠適齢期は昔と変わらず、20歳代だということです。今後、子どもを産み育てたいと思っているのに「知らなかった」ために時期を逃したということがないように、以上述べてきたような知識をできるだけ広めることが大切です。しかし、女性自身の意識と同じように、あるいはそれ以上に大切なのは、サポートする社会の意識や仕組みです。その両者がかみ合って初めて少子化に向かう速度を緩め、方向を修正できると思います。

健康と男女差

男女の差は健康にどう影響するか

 近年、男女の差が病気や健康に対して想像以上に大きい差を作り出すということがわかってきました。男女の差を表現する場合、英語では「セックス」という言葉と「ジェンダー」という言葉を使い分けています。「セックス」という場合、遺伝子により作られた男女を指します。つまり、持って生まれた変えようのない男女の違いを指します。
 それに対して、「ジェンダー」は社会の中で作られ、期待される男女の役割や行動様式の違いにより男女を分けることばです。日本語ではこれらに対応する言葉がなく、すべて“男女差”あるいは“性差”という言葉でまとめられてしまいますが、健康が男女の違いによってどのような影響を受けるかということを考える場合、セックスの差とジェンダーの差を分けて考える必要があります。
 米国の衛生研究所がその領域では先駆的研究を推進していますので、そこから発表されている事柄をまとめて健康とセックスおよびジェンダーそれぞれがどのように関連しているか、違いを例を挙げて説明してみます。

セックスの影響 ジェンダーの影響
心の健康 女性のうつ病の発症頻度は男性の2倍である。思春期、妊娠中、閉経期など性ホルモンが大きく変動する時期に気分の変調をきたす人がいる。 女性は気分が落ち込むことを早く自覚し、男性に比べて早い段階で治療を受けるために受診する人が多い。
心臓・血管の
動脈硬化
女性の冠状動脈は男性に比べ細く、構造も複雑であり、そのため、血管の閉塞を起こすのも男性とは異なるパターンが多い。
女性が心筋梗塞を発症する時の症状や検査結果は男性とは異なることが少なくない。そのため、診断が困難であったり、間違った解釈をすることがある。
女性は子どもの世話や介護、家事等に追われ、心疾患や他の慢性疾患の予防や治療が遅れることがある。
骨粗鬆症 骨粗鬆症は男性に比べて女性に多い。なぜなら、女性の骨量は男性より少なく。閉経時期に急速に骨量が低下することが影響していると考えられる。 50歳以上の男性の骨粗鬆症は治療されずに見過ごされていることが少なくない。骨粗鬆症は女性のものだという考えが男性患者も医師にもあることがその原因と考えられる。
膝関節炎 女性はスポーツ中に膝関節のけがをしやすい。理由として、膝関節や股関節の構造、下肢筋肉のアンバランス、関節周囲の腱の軟さなどが考えられている。 女性はハイヒールを履くため、膝関節に負担がかかり、膝関節傷害を起こすリスクが高くなる。
禁煙 女性の禁煙は男性に比べ難しいことが多い。女性は、体内でニコチンを男性より速く分解する。このニコチンの分解過程の違いが、ニコチンパッチによる禁煙療法の効果の男女差を作り出すと考えられている。男性は、ニコチンの作用に、より敏感である。 男性はニコチン中毒になりやすいが、女性は、感覚的、社会的刺激などニコチン以外の因子による中毒が多いと考えられている。

女性に多い片頭痛

はじめに

 猛暑に始まり、猛暑に終わった世界スカウトジャンボリーは、束の間ながら阿知須の街を「世界の阿知須」にしてくれましたね。あの暑さの中を闊歩する若者たちのたくましさに感心しましたが、一方、あまりにも母国の気候と違うため熱中症や暑さに関連した症状を発症した人も少なくなかったようです。私が診察したノルウェーからやってきたという女子高校生は、「自分は片頭痛もちで、片頭痛の点鼻薬(鼻の中に噴霧する薬)を月に1回程度使っている。でも、日本に来てから頭痛の頻度が増え、持ってきた薬を全部使ってしまったので同じものを処方してほしい。」と、心配そうに薬の名前を書いた紙を差し出しました。ノルウェーの気温は20℃だったのが、日本に来てからは半端ない暑さと湿度で大変だと言っていました。薬はというと、幸い、日本でも同じ名前で使っている薬だったので、数回分処方して渡すと安心して帰っていきました。
 片頭痛は、慢性頭痛に属する代表的な3つの頭痛の一つで、緊張型頭痛に次いで頻度の高い頭痛です。もう一つの群発頭痛は絶対数も少なく、女性に比べて男性のほうが5・6倍多いので、女性の慢性頭痛の多くは緊張型頭痛か片頭痛ということになります。片頭痛は、男性に比べ女性に数倍多く、特に思春期頃から増え、閉経後には減ってくるので、女性ホルモンが関与しているという説もあります。今回は片頭痛の原因や症状、対策についてまとめてみました。


片頭痛とは?

 片頭痛の痛みは、こめかみのあたりから目の奥などに強く脈打つような痛みを発することが多いのですが、時には後頭部や他の部分の痛みの場合もあり、また、片側に限らず両側の痛みの場合もあります。痛みの他に吐き気や嘔吐を伴うこともあります。痛みの前兆として、光がちかちかする(閃輝暗点)のが見える人もいます。
 片頭痛は、15歳~55歳の女性で、家族に片頭痛もちの人がいる人に多く、年齢とともに減っていきます。


片頭痛の原因は?

 はっきりした原因はまだわかっていませんが、元々脳の中に、ある物質が異常に増加して炎症を引き起こし、そのために付近の血管が拡張し、拡張した血管が付近の神経を圧迫して痛みを引き起こすという説が有力です。
 痛みが起こる場合、それを誘発する因子(トリガー)がしばしば認められますが、いつも同じトリガーが片頭痛を起こすとは限りません。時によって異なることがあります。比較的多いトリガーには次のようなものがあります。

 ・睡眠不足
 ・食事を抜く
 ・明るい光や大音量、強いにおい
 ・性ホルモンの変動
 ・ストレスやストレスからの解放
 ・天気の変化
 ・飲酒(しばしば赤ワイン)
 ・多量のカフェイン摂取
 ・ある種の物質を含む食物(ホットドッグ、ファーストフードや調味料、熟成したチーズ、その他)


前兆がある?

 片頭痛の女性の5人に約1人の割合で前兆があるといわれていますが、どちらかというと男性のほうに多くみられます。前兆は、頭痛の始まる10分~30分前に現れ、多いのは次のような症状です。

  • ・暗闇の中にフラッシュのような光や稲妻のような線が見える
  • ・顔や手のしびれ感や違和感
  • ・匂いや味、皮膚感覚の異常
  • ・ふわふわ感

片頭痛以外の慢性頭痛とどうして区別する?

 慢性頭痛は大きく3つのタイプに分けられ、そのうち、日本人に一番多いのは緊張型頭痛で、次に片頭痛、群発頭痛と続きます。前者2つのタイプは男性より女性で数倍多く、群発頭痛は男性に多いということが分かっています。片頭痛と緊張型頭痛の鑑別は次の表を使うと簡単ですが、両方頭痛を経験する人も少なくありません。


片頭痛と緊張型頭痛の比較

症状 緊張型頭痛 片頭痛
痛みの程度が軽い
痛みの程度が強い  
強く脈打つような痛み  
痛みのあるのは片側  
痛みが両側にある
吐き気・嘔吐  
光や音に敏感
頭痛の前兆あり  

片頭痛と月経周期は関係ある?

 半分以上の女性は月経直前、月経中、あるいは月経後に片頭痛を訴えます。しかし、ほとんどの人はそれらの時期以外の時にも片頭痛を経験します。月経周期と片頭痛の関連はまだ不明です。月経直前に、2つの性ホルモン、エストロゲンとプロゲステロンは急激に減少すること、エストロゲンは脳内の物質の調節にかかわっていることなどはわかっているので、急激な低下が片頭痛のトリガーになるのかもしれません。
 月経に伴って片頭痛を訴えていた人でも、約2/3の人が閉経期になると症状が減ってくると報告されています。中には閉経期に悪くなるという人もおられますが、閉経期を完全に過ぎてしまうと多くの人は片頭痛を訴えなくなります。


ストレスは片頭痛を誘発する?

 ストレスは、片頭痛も緊張型頭痛も誘発します。
 ストレスをできるだけ少なくするには、健康に良い食事を規則正しく摂り、適度な運動(1日30分以上)、十分な睡眠をとることです。頭痛日誌などで、自分の片頭痛を誘発するものはないかチェックし、見つかったらそれを避ける方法を考えてみてください。


片頭痛の治療は?

 片頭痛の根本的な治療法はありませんが、症状が現れた時にそれを軽くしたり、頻度を少なくしたりすることはできます。

〔薬物治療〕
●片頭痛が起こった時に使う鎮痛薬
 アスピリンやその他のいわゆる鎮痛解熱薬は軽症の人には効くことがあります。それらがだめな時はトリプタン製剤という片頭痛の特効薬があります。これには内服、鼻に噴霧、口で溶かすなど服用方法はいろいろありますが、いずれにしても、片頭痛の急性期に使う薬剤は、症状が現れてからできるだけ早く使用することです。ただし、心臓病や高血圧のある人は服用できないこともありますので、かかりつけ医に相談してください。

●予防
 片頭痛の予防薬には、てんかんやうつ病、高血圧や心臓病の治療薬として使われているものもあります。月経と関連して発症しているようでしたら、ホルモンを用いた治療も有効なことがあります。
 片頭痛薬を服用しても効かない時や、週に2回以上片頭痛薬を服用しなければならない時などは予防薬についてかかりつけ医に聞いてみましょう。

〔生活習慣の変更〕
 以下のような生活習慣の変更は片頭痛の発作を減らしてくれます。

  • ・片頭痛のトリガーがあれば避ける。
  • ・起床時刻と就床時刻を規則正しくする。
  • ・3食、バランスの取れた内容の食事をするようにする。
  • ・できるだけ毎日運動する。
  • ・アルコールやカフェイン摂取量を減らす
  • ・ストレスを避け、溜めないようにする。

妊娠中の治療は?

 多くの解熱鎮痛薬は妊娠中の服用には勧められません。どうしても痛みが強い場合は、かかりつけ医に相談してください。リラックスできる体操や冷たいタオルで冷やすのも有効です。幸い、妊娠3か月頃から多くの人は片頭痛が起こらなくなります。


授乳中の治療は?

 授乳中の片頭痛治療薬は限られています。アセトアミノフェンは使える薬の代表です。トリプタン製剤は、服用後、一般に24時間授乳を中止することが推奨されていますが、中には、12時間程度の間隔をおいて授乳できるとされているものがありますので、かかりつけ医に相談してください。


片頭痛が起こらないように予防する方法は?

 最もよい方法は、あなたの片頭痛発作を誘発するトリガーを見つけ、それを避けることです。片頭痛はストレスに関連していることが多いのでストレスを減らし、また、うまく付き合う方法を身に着けるといいでしょう。リラックスする方法を教える講座などを受けてみることも有用です。週に2回以上片頭痛発作が起きるようなら、医師に相談することをお勧めします。


片頭痛発作が起きた時はどうすれば?

●もし片頭痛薬を持っているなら、すぐに服用する。
●吐き気がなければ水分をしっかりとりましょう。
●あまり明るくない静かな部屋で横になりましょう。

 以下のことが有効な場合もあります。
●冷たいタオルを頭にのせる。
●痛い部分を圧迫してみる。
●マッサージやリラクゼーション運動をしてみる。


終わりに

 ノルウェーからジャンボリーに参加していた女子高校生の場合、片頭痛のトリガーとなったのは気温の急激な変化や環境の変化によるストレスだと推察されます。故郷に戻り、遠い熱帯の国、日本での経験を友人や家族に話したことでしょう。
 片頭痛についてまとめましたが、頭痛には背景に何か病気が隠されていて、そのひとつの症状として表に現れている場合もあります。長引く頭痛がある場合、一度医療機関を受診し、基礎疾患がないことを確認されたほうがいいでしょう。


参考資料:A federal government website managed by the Office on Women’s Health

甲状腺の病気

 甲状腺は、首の前方付け根に近いところにある小さな臓器で、甲状腺ホルモンを作っています。甲状腺ホルモンは全身に影響を及ぼし、量が多すぎても少なすぎても体調不良をもたらします。甲状腺の病気は男性より女性に多く、女性にとっては忘れてはならない重要な病気です。今回は、甲状腺の病気の中でも、甲状腺ホルモンが足りない病気の代表、橋本病と、過剰になる病気、バセドー氏病についてご紹介します。


1.甲状腺とは

 甲状腺は首の前方にある小さな蝶々型の臓器です(図1)。ここで甲状腺ホルモンが作られ、血液に乗って体中に運ばれます。甲状腺ホルモンにはT3とT4と呼ばれる2種類のものがあり、体のエネルギーの消費量をコントロールします。甲状腺ホルモンの量は、脳の中の脳下垂体で作られる甲状腺刺激ホルモンによって調節されています。


図1


2.女性と甲状腺の病気

 女性は男性に比べ甲状腺の病気にかかりやすいことがわかっています。甲状腺の機能異常のためにホルモンの量が多すぎたり少なすぎたりすると月経が不規則になったり無月経になったり、出血量が増えたりします。免疫機能の異常から甲状腺の病気になると、卵巣など甲状腺以外の臓器も影響を受け、早い時期に閉経(早発閉経)になることもあります。甲状腺の働きが異常を起こすと、妊娠しにくくなることもあります。

 甲状腺ホルモンが過剰になると、更年期障害と似た症状が現れ、間違うこともありますので注意が必要です。


3.橋本病とは

 橋本病は自己免疫病の1つで、体内の免疫機能の異常のため自身の甲状腺に対する抗体が作られ、それが甲状腺を傷害し、作られる甲状腺ホルモンの量が減ってきます。このように、体に必要な甲状腺ホルモンを甲状腺が作らない状態を甲状腺機能低下症と呼びます。甲状腺機能が低下すると、体全体の機能がゆっくりしてきます。たとえば、心拍数や脳の機能、エネルギー産生などが遅くなります。

 橋本病は、男性の約7倍も女性に多く、中高年になってから発症することが多い傾向があります。


4.橋本病の症状は

 多くの橋本病の患者さんは、何年も無症状で過ぎていきます。甲状腺が大きくなる甲状腺腫大が最初の症状であることがしばしばあります。この場合、首の前方が膨らんでくるので、正面から見てわかります。甲状腺腫が大きくなると喉の部分が張った感じが出たり、食べ物をのみ込みにくく感じたりすることがあります。痛みはほとんどありません。

 多くの橋本病の人はやがて甲状腺機能低下をきたします。初期の症状はほとんどないか、ごく軽くても、やがて時間と共に悪化します。
 甲状腺機能低下症の症状は、最初は疲れやすいなどの症状ですが、やがて全身の働きが低下してくるため、次のような症状が現れます。

  • ・疲れやすい
  • ・体重増加
  • ・青白い、むくんだ顔
  • ・冷え性
  • ・関節・筋肉痛
  • ・関節痛、筋肉痛
  • ・便秘
  • ・乾燥した細い髪
  • ・不規則な月経
  • ・うつ気分
  • ・徐脈
  • ・脂質異常症
  • ・不妊

5.橋本病の原因、治療

 橋本病を発症する原因としては多くの要因が関与すると考えられています。それらの代表的なものは、遺伝子、性ホルモン、妊娠、ヨード摂取量、放射線照射などです。

 治療は、薬として、甲状腺ホルモンを服用します。1日1回服用しますが、橋本病の人には効果的です。多くの人が一生服用します。もし治療をしないと、不妊、流産、脂質異常症、重症の場合は心不全、けいれん発作、意識消失などに至ることもあります。


6. バセドー氏病とは

 バセドー氏病は自己免疫病で、脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモンと同じような働きをする抗体を体内に作り、そのため、必要以上の甲状腺ホルモンが作られます。このような状態を甲状腺機能亢進症と呼びます。甲状腺機能亢進症では、体内の臓器の機能がスピードアップし、心臓の拍動が速く、代謝の速度が速まります。バセドー氏病は甲状腺機能亢進症を起こす病気の一つで、同じく免疫機能異常によっておこる橋本病と関連しています。女性は男性の10倍多いと言われています。発症年齢は多くの人が20~30歳台で発症し、バセドー氏病の家族歴や他の自己免疫病のある人に多くみられます。


7.バセドー氏病の症状は

 甲状腺機能亢進のための以下のような症状が出現します。

  • ・甲状腺腫(甲状腺の腫大)
  • ・不眠
  • ・神経質でいらいら気分
  • ・暑がりで、汗をかきやすい
  • ・手指の振え
  • ・頻脈、不整脈
  • ・排便回数増加
  • ・体重減少
  • ・疲れやすく、筋力低下
  • ・生理が軽く、頻度もゆっくり
  • ・眼球突出(他の原因の甲状腺機能亢進症では出現なし)

8. バセドー氏病の原因、治療

 バセドー氏病に関係する因子として次のようなものが挙げられています。遺伝子、性ホルモン、ストレス、妊娠、感染症。

 治療は薬物療法、放射性同位元素照射、外科的切除などが挙げられます。薬物療法に使われる薬は、甲状腺で甲状腺ホルモンが作られるのを邪魔して多く作られないようにするものです。

 これら以外にβブロッカーが用いられることもあります。これは、甲状腺ホルモンの分泌に対しては何も影響しませんが、体の中での甲状腺ホルモンの作用を抑制するので、心拍数を減少させたり、手の震えを止めるのに有効です。バセドー氏病を治療せず放置すると、頻脈、心機能異常、場合によっては死に至ることもあります。

 甲状腺の病気は中高年以降の女性に多く、ここに挙げたもの以外にも、甲状腺炎、甲状腺がん、良性の腫大、などがありますが、更年期症状や高齢者の認知症の症状などと間違われることが少なくなく、女性に多いので、女性の方は特に注意が必要です。


参考資料:Current Medical Diagnosis AndTreatment 2015

「糖尿病」のお話

1.糖尿病とは何か?

 糖尿病とはあなたの血液中のブドウ糖が異常に高くなるものを指します。あなたの血液にはエネルギー源としていつも糖分がありますが、これが多すぎると健康に悪い影響が出てきます。

 ほとんどの食べ物は体に入ってくるとブドウ糖に変えられ、それを血液が全身に運びます。運ばれた糖が細胞の中に取り込まれる時にインシュリンが必要になります。膵臓で作られたインシュリンは血液の中へ放出され、食べ物由来のブドウ糖を細胞の中に取り込むのを助けます。もしインシュリンの量が十分でなかったり、体内でうまく働かなかったらブドウ糖は細胞の中へ取り込まれず、血液の中へ留まることになります。その結果、血液中の糖分が増加し、糖尿病を引き起こすことになります。

 糖尿病を放置すると、失明や心臓病、脳卒中、腎不全、神経障害などを発症することがあります。女性の場合、妊娠中に糖尿病を発症することがあり、その場合、赤ちゃんに影響が出ることがあります。


2.境界型糖尿病とは?

 境界型糖尿病とは、血糖値が正常値より高く、糖尿病のレベルより低い人を指します。言い換えると2型糖尿病になる危険性が高いということです。しかし一方で、体重を減量したり、運動量を増やせば糖尿病になる危険性を下げ、正常の血糖になる可能性もあるともいえます。


3.糖尿病のタイプの違いがある?

 糖尿病には1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病があります。

 1型糖尿病は、子どもの時に診断されることが多く、それは一生続きます。このタイプの糖尿病の人は体の中にインシュリンが作られないため、毎日、インシュリンを補う必要があります。治療法は、インシュリン注射かポンプを毎日行い、適切な食事をとり、定期的な運動を実行し、血圧やコレステロールの管理をしていくことです。

 2型糖尿病は、最もよくあるタイプで、発症は年齢に関係ありません。この方の糖尿病は、体内でインシュリンは作られますが働きが不十分であるため、ブドウ糖が十分に細胞内に取り込まれないために起こります。治療は、薬物療法、食事療法、運動療法、血圧とコレステロールのレベルを正常に維持することです。2型糖尿病の場合、体内で作られるインシュリンの量は徐々に減少し、従って、内服薬の量を増やすか、インシュリン注射を開始する可能性が高くなります。

 妊娠糖尿病は言葉通り、妊娠中に発症します。妊娠中、体内にインシュリンが効きにくくなるホルモンが体の中に分泌されるため、余分にインシュリンを作らなければなります。そのインシュリンが十分に効かないと妊娠糖尿病を発症することになります。妊娠糖尿病は通常、妊娠が終了したら正常になりますが、将来、2型糖尿病を発症する可能性が高くなります。


4.糖尿病の原因は?

1型、2型糖尿病

 どちらの型もはっきりした原因はまだわかっていません。どちらも遺伝的因子が関連している可能性はありますが、環境因子が引き金になります。2型糖尿病の場合、体重増加は糖尿病を発症しやすくします。


5.糖尿病になりやすい危険因子は?

 1型糖尿病になりやすいかどうかはわかりませんが、2型糖尿病を発症する可能性が高いかどうかは以下のことと関連しています。

  • ・年齢:45歳以上(男性は女性より少し早く発症する傾向があります)
  • ・肥満
  • ・家族歴:両親や兄弟姉妹が糖尿病があれば発症頻度が上がります。
  • ・出産児の体重が4kg以上
  • ・妊娠中に糖尿病であった。
  • ・高血圧(140/90以上)
  • ・高コレステロール血症
  • ・運動不足(週に3回未満)
  • ・過去の糖尿病異常検査値

6. 糖尿病かどうか、検査する必要がある?

 年齢が45歳以上なら、3年に1回程度は検査する。もし45歳以上で、肥満があると、もう少し頻回に検査する必要があります。45歳未満で、肥満があり、上記の危険因子が1つ以上あれば、今すぐ血糖とヘモグロビンA1C(エーワンシー)を受けてください。


7.糖尿病が疑われる兆候は?

  • ・喉がよく乾く
  • ・尿量が多い
  • ・よくお腹が空く
  • ・疲れやすい
  • ・体重減少
  • ・皮膚が乾燥し、痒い
  • ・手足の感覚が低下または違和感あり
  • ・視野がぼんやりすることがある
  • ・感染症にかかりやすい

 以上の症状が1つ以上あれば、かかりつけ医にご相談ください。


8. もし糖尿病と診断されたら自分でできることはどんなことでしょう?

 あなたのかかりつけ医の指示に従い、適切なカロリー摂取を続けてください。下に、あなたが気を付けた方がいい項目を列挙します。

  • ・食事:玄米や発芽玄米、全粒粉の小麦粉など全粒穀物を使った食品、野菜、果物を多く
  • ・運動:1週間あたり下記の運動のどれかと3日間の筋力強化運動を併用すると有効です。
    *2時間30分の中くらいの強度の有酸素運動
    *1時間15分のより激しい有酸素運動
    *中程度と激しい運動を組み合わせて

9.糖尿病は治りますか?

 現時点では、糖尿病が完全に治ることはありません。しかし、いろんな方面からの研究が進んでいますので、もっと進歩していくと思います。


10. 糖尿病を予防する方法がありますか?

 最も良い予防方法は生活習慣を変えることです。

●適正な体重を維持する。
あなたの肥満度をBMI(体重kg/身長mx身長)で計算し、できるだけ25以下をめざしましょう。もし肥満なら、食習慣を少し変え、全粒穀物、果物、野菜を増やしましょう。加えて運動を増やしましょう。5―6kgでも減ると、2型糖尿病の発症を遅らせることができると言われています。

●健康的な食事を。
玄米や全粒粉の食品、果物、野菜を多くとりましょう。脂肪分の少ない食品を食べましょう。もし飲酒するなら、ビール350ml、ワイン100-200ml、またはウイスキー40mlのいずれかにしましょう。

●運動する。
1週間あたり下記の運動のどれかと3日間の筋力強化運動を併用すると有効です。
*2時間30分の中くらいの強度の有酸素運動
*1時間15分のより激しい有酸素運動
*中程度と激しい運動を組み合わせて

乳がん対策

 日本人の約2人に一人が生涯でがんになり、中でも女性で一番多いのは乳がんで、12人に一人が乳がんになると言われ、たいていの人が身内や友人の中に乳がんになられた人をご存知でしょう。乳がんによる女性の死亡率は全年齢では5位ですが、30代~60代前半の若い働き盛りには、他のがん、心臓病、脳卒中を抑えて1位です。幸い、乳がんは健診で見つかりやすく、早期に治療をすれば治る可能性が大きいがんです。実際、欧米では乳がん検診の受診率が高く、最近は乳がんによる死亡率が低下しつつあります。一方、日本での検診受診率は、最近ようやく30%を超えたところで、乳がん死亡率は相変わらず増加の一途を辿っています。このコラムでは、乳がんについて知っていただき、マンモグラム検診で乳がんの早期発見・治療が増え、乳がんによる死亡率の低下を願うものです。


1. 乳がんとは

 乳房は右の図にありますように、乳腺組織、結合組織、脂肪細胞、リンパ管、血管で構成されています。
 乳がんは乳管の細胞由来のものが約80%で、10%は乳腺の腺細胞ががん化して増殖します。


米国健康福祉省.Women’s Health


2. 乳がんの症状

 定期的に検診を受けていると、乳がんによる症状を自覚する前に発見されることが多いのですが、次のような変化がないかどうか、自己チェックでも気を付けてみてください。

  • ・乳房やその近く、腋などに硬い塊がないか
  • ・その大きさや形が変化しないか
  • ・乳頭から何か分泌物が出てこないか
  • ・乳頭の陥没など変化はないか
  • ・乳房の皮膚や乳頭に痒み、発赤、しわ、くぼみがないか

 これらが見つかっても、がんではないことが多いので、まずかかりつけ医か乳腺外科専門の医師に相談してください。


3. 乳がんになりやすい人

  • ・加齢。50歳を過ぎてから発症が増えてきます。
  • ・片側に乳がんができた人
  • ・母親、姉妹、娘など血縁者が乳癌になった人
  • ・乳がんに関連する遺伝子を持っている人(遺伝子検査をしなければわからない)
  • ・初経が12歳以前だった人、閉経が55歳以降、こどもがいない、
  • ・ホルモン補充療法をした人
  • ・胸部に放射線治療を受けたことがある
  • ・肥満
  • ・飲酒
  • ・運動をしない人
  • ・授乳経験者はリスクが下がる。

4. 検診及び診断

 検診:マンモグラム検査(0~50歳頃より2年に1回)、視触診、自己チェック
 診断:マンモグラム、超音波検査、MRI,


5. 治療

 乳がんと診断されたら以下のような治療を受けます。

  • ・手術
  • ・放射線治療:放射線により、がん細胞を殺すか、成長を阻止します。
  • ・化学療法:薬剤によりがん細胞を殺すか、細胞の分裂を止めます。
  • ・ホルモン補充療法:エストロゲンによりがん細胞が増殖するタイプの乳がんの人に、ホルモン産生を抑制したり、ホルモンの働きを抑制するホルモンを用います。
  • ・標的治療:正常細胞には無害で、がん細胞のみを破壊する薬剤または物質を用います。

 これらの治療法を単独で行うことは少なく、以下の項目に基づいて複数の治療法を施行します。

  • ・がんの進行程度:がん細胞が乳房内に留まっているか、隣接する臓器やリンパ節に転移していないかで決まります。前もってその程度を知るためにいくつかの検査をしますが、しばしば手術をした後にわかります。
  • ・がんの大きさ
  • ・がんのタイプ
  • ・閉経前か後か
  • ・全身状態

紫外線対策

 地球の周りにあるオゾン層は太陽光線の中の紫外線を吸収して遮り、地球の生命を守ってくれる大事なものですが、冷蔵庫やスプレーに使われるフロンガスによって破壊されるということはよくご存じのことと思います。オゾン層が破壊され、それが生体に影響を及ぼす可能性が1970年代に指摘されましたが、1980年代には南極の上空にオゾンホールが確認されました。それは、太陽からより多くの紫外線が私たちに到達するということです。私たちの皮膚は、紫外線にあたる時間が15分程度から影響を受け始めると言われています。

 紫外線は健康にとって様々な不都合な影響を及ぼします。よく知られているのは皮膚がんや、皮膚の老化、目の白内障などです。紫外線が強い夏場は特に予防対策が重要です。既に十分な対策をとっておられる方もおられますが、気を付けることを以下にまとめてみます。

  1. 日陰
    紫外線による皮膚の傷害や皮膚がんを予防するには日傘や木陰、あるいは他の物の陰に入るなどの方法があります。外に出る時は、日焼け止めクリームをぬったり、紫外線を予防できる衣服を着るのも有効です。
  2. 衣服
    出来るだけ長袖シャツに丈の長いパンツやスカートをはくことも大切です。目の詰んだ生地の洋服が効果的です。薄い色より濃い色の方が紫外線を防いでくれます。この頃は、紫外線カットの認定を受けた衣服もあります。このような衣服がなければできるだけ皮膚の露出が少ないものを着用するようにしてください。普通のTシャツのSPF(Sun Protection Factorの略語で、紫外線を防ぐことのできる程度を表します)は15以下程度なので、紫外線防護目的では不十分ですから、他の方法と組み合わせることも必要です。
  3. 帽子
    縁のある帽子は顔、耳、うなじを隠してくれるので日光を遮るのには有効です。キャンバス地のような目の詰んだ生地のものが紫外線を防ぐには有効です。穴がたくさん開いている麦わら帽子は日光が通ってしまうので有効とはいえません。濃い色のものがより多くの紫外線を予防できますもし野球帽をかぶるなら、耳や首の後ろ側が露出するので何かかぶるか、日焼け止めクリームを塗るかする必要があります。
  4. サングラス
    サングラスは目を紫外線から守り、白内障になる危険性を減らします。また、目の周りのデリケートな皮膚を紫外線から守ります。
  5. 日焼け止めクリーム
    外に出る前には日焼け止めクリームを塗りましょう。晴れた日だけでなく、曇りの日も、涼しい日にも使いましょう。日に当たる部分には広く塗りましょう。しかし、日焼け止めクリームだけに頼るのではなく、帽子や日傘など他のものも併用する方が効果的です。
    日焼け止めクリームはどのように働くのでしょう。大部分の日焼け止めクリームは、光を吸収したり、反射したり、散乱させます。成分の化学物質が皮膚と反応して紫外線から皮膚を守ります。成分は製品によって異なるので、もし自分の皮膚に会わなければ種類を変えるか、医師に相談してください。

SPF

 日焼け止めクリームには、紫外線をブロックする程度を表す指標としてSPFの数字が書かれています。数値が大きいと防御率が高いことを表します。SPFの値が少なくとも15以上を使ってください。但し、SPF30がSPF15の2倍の効力があるというわけではなく、適切に使えば、SPF15は93%の紫外線(正確には紫外線B)、SPF30は97%の紫外線から守ってくれます。


日焼け止めクリームの追加

 日焼け止めクリームは時間とともに取れてしまうので、2時間以上太陽の下にいる時や水泳したり、汗をかいたり、タオルで拭いたりする場合は塗り直してください。


有効期限

 日焼け止めクリームの有効期限をチェックしましょう。もし有効期限が書いてない場合、3年以下と考え、購入してそれ以上過ぎたものは使わない方が無難です。但し、気温が高いところに置かれていると有効期限はもっと短くなります。


化粧品

 化粧品や口紅の中には、日焼け止めクリームに含まれる成分と同じ成分がいくつか含まれています。もしそれらのSPFが15以下の場合、日焼け止めとしてはそれだけでは不十分です。

骨粗鬆症

 旧約聖書には、神は、男性であるアダムを創り、次にそのアダムのあばら骨の1本から女性のイブを創造されたと書かれています。生物学的には、最初に作られたのが女ではなく男だったということには違和感を覚えますが、それはさておき、キリスト教の世界では女性は男性の一部で創られたものだったのです。骨から作られたのならさぞかし強い骨をもっているかと思いきや、実際には女性の骨の方が男性の骨よりもろい、つまり骨粗鬆症になる割合は女性の方が数倍早いと報告されています。特に、閉経を迎える更年期以降、女性の骨粗鬆症は進行が速くなります。その理由は、卵巣で作られる女性ホルモン、エストロゲンが強力な骨の強化剤なので、エストロゲンが急に減少する閉経以後は骨粗鬆症が進行するわけです。では、エストロゲンがほとんどない男性の場合はどうなのかというと、男性ホルモンであるテストステロンは、アロマターゼという酵素によってエストロゲンに変化し、エストロゲンとして骨の強化に関わるのです。つまり、男性の強い骨も、実際には女性ホルモンが作りだしているものなのです。

 この章では私たちの生活に大きな影響を与える骨粗鬆症について説明します。


1.骨粗鬆症とは?

 骨粗鬆症は骨の病気です。骨粗鬆症になると骨は弱く、折れやすくなります。骨折すると、痛みや動きが制限され、日常生活に大きな影響を及ぼします。
 骨粗鬆症はどの骨にも起こりますが、骨折しやすいのは股関節の部位の大腿骨、手首、脊椎(背骨)です。脊椎の骨折は女性に多く、階段の昇降、ものの持ち上げや前かがみになった時などの日常生活の中で起こります。
 次のような変化が出てくると、脊椎の骨粗鬆症が疑われます。

  • ・猫背になる
  • ・身長が低くなる
  • ・腰痛
  • ・お腹が前に出てくる

2.骨粗鬆症になりやすい要因は?

  • 変更できないもの:女性、加齢、閉経、やせ体型、血縁者に骨粗鬆症がある、無月経、関節リウマチや早発閉経などの骨粗鬆症を起こしやすい病気、摂食障害
  • 自分で修正できる因子:喫煙、乳製品、カルシウムやビタミンDなどが少ない食事、運動不足など

3.自分の骨の強さをチェックする検査は?

 放射線を使って骨密度を検査する方法が一般的ですが、他にもあります。
 65歳を越えたら、骨粗鬆症のスクリーニング検査として一度骨密度を測定するとよいでしょう。65歳以下でも、骨粗鬆症を起こしやすいリスクが他にある方は医師に相談してみてはいかがでしょうか。


4.強い骨を作るためにすることは?

 骨粗鬆症を予防する最も重要なことは、子ども時代から10代にかけて強い骨を作っておくことです。しかし、強い骨を作る努力を始めるのに遅すぎるということはありません。

 年をとるにつれ、新しい骨ができる速度より古い骨を壊す(骨吸収)速度の方が早くなりますが、特に閉経後はそれが著しくなります。その進行を少しでも遅くするために、次のようなことが有効です。

1) 十分なカルシウム摂取

●1日に必要なカルシウム量

年齢 (mg)
9~18 1300
19~50 1,000
51歳以上 1200


●食品中のカルシウム量

食品 mg
ヨーグルト 1カップ 376
低脂肪牛乳(1%) 1カップ 242
冷凍ほうれん草 1/2カップ 122


2)十分なビタミンD摂取

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあるため、十分なビタミンDを摂る必要があります。また、皮膚の表面でも太陽の光が当たるとビタミンDが作られます。週に2~3回、10~15分間、手、腕、顔などに太陽の光を浴びることで十分なビタミンDが作られます。
ビタミンDを多く含む主な食品(食品成分データベースより)

食品 μg/100g
しらす干し 46-61
38.4
イワシ缶詰 17-20
焼きさんま 15.9
さば(缶詰) 11


3)バランスのとれた食事

他にも、ビタミンK、ビタミンC、マグネシウム、亜鉛、タンパク質など強い骨を作るのに重要な栄養素があります。ミルク、肉、魚、緑色野菜などこれらの栄養素を含んでいます。

4)運動

運動は、骨の吸収を遅くし、筋肉を鍛え、バランス能力を高めます。
次のような運動ならどれでも勧められます。

  • ・ウォーキング
  • ・ダンス
  • ・ジョッギング
  • ・階段昇降
  • ・ガーデニング
  • ・ハイキング
  • ・テニス
  • ・ウェイト・リフティング
  • ・ヨガ
  • ・太極拳

5)禁煙

喫煙は骨粗鬆症を早める可能性があります。また、骨吸収を抑制する体内のエストロゲンを減らすこともわかっています。

6)飲酒はほどほどに

アルコール摂取は、体内に取り込んだカルシウムの利用を妨げ、多量に飲むとバランスを崩し転倒しやすくなります。


5.その他

  • ・男性は骨粗鬆症にならない?
     男性も女性より遅れますが、骨粗鬆症になります。特に70歳過ぎてくると骨折しやすくなります。
  • ・骨に対する妊娠の影響は?
     胎児は母が食べ物から摂取するカルシウムをもらいますが、もし、母が十分なカルシウムをとっていないと、胎児の骨が影響をうけることがあります。
  • ・授乳によりカルシウムを失う?
     授乳中にカルシウムを失っても、一時的で、授乳中止後6か月で元通りになると言われています。

6.骨粗鬆症の治療は?

 もし骨粗鬆症と診断されたら、カルシウムの摂取量や運動量を増やすようなライフスタイルにし、薬物治療が勧められます。

更年期との付き合い方(後編)

 前回の更年期症状に続き、今回は、その予防法や治療についてお話しします。


生活習慣について

 更年期を乗り切るには、まず以下のような生活習慣の改善がお勧めです。

  • ・食事:カロリーは控えめに、栄養素は十分にとる。特に、ビタミンB,D,カルシウムなどは必要量を摂りましょう。
  • ・適度な運動をしましょう。ウォーキングや水泳などの有酸素運動を1日30分、筋トレを週に2日程度が望ましい量です。
  • ・禁煙:喫煙は、骨を弱くする外、体に種々の害をもたらします。

更年期症状の治療法は?

 すべての方が治療を必要とするほど強い症状をもつというわけではありません。ライフスタイルを少し変えるだけで自然に消えていくこともあります。もし、ホルモン療法などの治療に興味がある場合は、副作用と効果について医師によく聞いてください。主な更年期症状対処法を表3に記します。

表3. 更年期症状への対処法

ホット・フラッシュ スパイスの効いた食事やお酒、カフェイン、ストレス、暑い部屋などを避ける。ホット・フラッシュが出そうな時はゆっくり深呼吸する。
薬物治療は漢方薬、ホルモン療法など。
膣の乾燥 薬局で買える膣の潤滑剤は性交痛を和らげる。ホルモン療法は、全身投与も、膣剤の局所投与でも効果がある。
睡眠障害 運動する。就寝前の食事、喫煙、仕事は避ける。寝室は暗く、静かに、涼しい環境にする。寝つけなければ、寝床から出て読書などする。
気分の動揺 十分な睡眠と運動。ストレス対処法を学ぶ。ホルモン療法も効果的。症状が強ければうつではないか、医師に相談する。
尿もれ 骨盤底筋体操、薬物療法など

更年期には骨密度が下がる?

 卵巣ホルモンのひとつ、エストロゲンが低下すると骨密度が低下します。骨密度低下が強くなった状態が骨粗鬆症で、骨折の危険性が高くなります。
 強い骨を作るには、ウォーキングや階段昇降など体重のかかる運動をし、カルシウム、ビタミンDの多い食べ物をとることが有効です。禁煙も重要です。
 早発閉経の方は早く骨粗鬆症になる可能性が高いので、ホルモン療法を勧める場合もあります。


ホルモン療法の効果とリスクは?

 ホルモン療法は卵巣ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンを経口または経皮投与します。子宮の摘出をした方はエストロゲンのみを使います。効果は、ホットフラッシュや異常発汗を弱め、膣の乾燥を改善、骨密度の低下を抑制し、気分の動揺も軽減します。
 しかし、ホルモンによって、血栓や心・血管の病気、乳がん、胆のうの病気になりやすい人もいます。特に長期に使うと危険性が高まると言われています。ホルモン療法を避けた方がよいのは次のような病気のある方たちです。

表4.ホルモン療法をしない方がいい人

●原因がわかっていない性器出血
●乳がんや子宮がん
●脳卒中や虚血性心臓病
●血管内血栓
●肝臓病
●心臓病

薬を使わない治療法は?

 大豆やハーブの中にはエストロゲンに似た成分を含むものもあり、効果が期待されていますが、更年期症状に対して、ホルモン療法のような効果があるかどうか、確実なことはわかっていません。

 エストロゲンには女性を生活習慣病から守る作用もあります(表5)。 閉経とともに更年期症状の他に、これらのリスクも増加してくることになりますが、それらのほとんどのものに対抗できるものが運動です。ウォーキングや水泳など、手段は何でも自分に合った運動を根気よく続けると、気分爽快、知らない間に若々しい心と体になれると思います。

表5.エストロゲンの生活習慣病予防作用

●血圧低下
●脂質代謝改善
●体脂肪減少
●インシュリン感受性改善
●血小板凝集能改善
●冠動脈疾患、脳梗塞、大腸癌、乳癌、 糖尿病、骨粗鬆症 の罹患率低下

最後に

 更年期症状はある時期を過ぎると消失していくことがほとんどです。更年期と身構えず、あなどらず、しなやかに次の輝く60代、70代に向かっていただきたいものです。

更年期との付き合い方(前編)

更年期とは?

 閉経をはさんだ前後5年の10年間を更年期といいます。閉経は、卵巣機能の停止とともに、そこで作られていた2つのホルモン、エストロゲンとプロゲステロンが作られなくなるために月経が停止するものです。それに伴いホルモン系の調節機能のバランスが崩れ、その影響が自律神経系をはじめとする全身の機能に影響を及ぼします。閉経に近づくと、月経間隔や期間、出血量が不規則になりますが、月経のない期間が1年続けば閉経したと判断します。閉経の平均年齢は51歳ですが早い人では40歳、遅い人は55歳頃閉経になります。月経がある間は、卵巣ホルモンは月経の周期によって変動しますが、閉経後は低い濃度に留まり、変動はなくなります。

 更年期になっているかどうかを判定するのも難しいことが多く、症状や経過から判定するしかありません。血液検査で卵巣ホルモンを測定することもできますが、月経周期で変動しますので、ホルモン値が低い場合、閉経のためか、月経周期の低い時期なのか、それだけで確実に判定することは困難です。


更年期症状とは?

 卵巣ホルモンが急激に低下するために出現する更年期症状には、生殖臓器の機能異常だけでなく、加齢症状なども含めた種々の症状が含まれます。頻度が多いものを表1に列挙しますが、日本人では、欧米人に比べ、ホット・フラッシュなどの自律神経失調症状は少ないと言われています。

 更年期症状の強さを数字で表して評価する簡易更年期指数(小山嵩夫他)を表2に示します。

表1.代表的な更年期症状

●ホット・フラッシュの出現(体が急にほてる、顔が赤くなる、過剰発汗、続く冷えなど)
●睡眠障害
●膣の乾燥・感染、尿路感染症、尿漏れ
●気分の動揺
●性交への興味の消失
●その他:記憶力低下、集中力低下、筋肉量低下、脂肪増加、関節痛


表2. 簡易更年期指数

症状 症状の程度(点数)
点数
1)顔がほてる 10  
2)汗をかきやすい 10  
3)腰や手足が冷えやすい 14  
4)息切れ、動悸がする 12  
5)寝つきが悪い、または眠りが浅い 14  
6)怒りやすく、すぐイライラする 12  
7)くよくよしたり、憂うつになることがある  
8)頭痛、めまい、吐き気がよくある  
9)疲れやすい  
11)肩こり、腰痛、手足の痛みがある  
  合計点  

強  症状が強く家事あるいは仕事に大きな支障がでるか、全くできない。
中  症状があり、家事あるいは仕事に支障がでる。
弱  症状はわずかで、家事あるいは仕事をすることにとくに問題はない。
なし 全く症状はない。

自己採点の評価法
0-25点:上手に更年期を過ごしています。これまでの生活態度を続けていいでしょう。
26-50点:食事、運動などに注意をはらい、生活様式等にも無理をしないようにしましょう。
51-65点:医師の診察を受け,生活指導,カウンセリング,薬物療法を受けた方がいいでしょう。
66-80点:長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。
81-100点:各科の精密検査を受け,更年期障害のみである場合は,専門医での長期の計画的対応が必要でしょう。


医師の診察を受けたほうがいい場合は?

 何回か月経がなかったら、更年期と決めつけず、妊娠や他の病気がないか受診してください。1年間月経がなく、その後少量の出血があったときも受診しましょう。


更年期かどうか確かめる方法は?

 症状や病歴から更年期なのかどうか診断できます。血液中の卵巣ホルモンを測定することもできますが、閉経前でも月経周期によって大きく変動するので、それだけで診断することはむずかしいこともあります。

 更年期症状の治療法は次回にお話しします。

「冷え性」との付き合い方

 寒さのピークはようやく過ぎたようですが、立春とは名ばかり、“冷え性“の方にはまだまだ辛い日が続いているのではないでしょうか。皆さんそれぞれ寒さ対策をされているとは思いますが、少し参考になれば幸いです。
 「冷え性は病気ではない、女性特有の不定愁訴」と言われても、冷えのために肩こりや頭痛、不眠症、場合よっては月経痛、月経困難症の頻度まで増えるとすると、単なる不定愁訴で片づけることもできません。


「冷え性」の定義は

 “冷えしょう”は“冷え性“とか”冷え症“と書かれますが、「普通の人は平気な気温の中でも手足や腰などに、異常な冷えを感じている病態」と定義されています。女性の10~50%が冷え性と感じ、頻度は男性の3~6倍にもなります。従来、冷え性は寒い地方や冬に問題となっていましたが、最近は、夏の冷房や、無理なダイエットなども加わり、年齢、症状とも多彩になってきました。
 冷え性かどうか、次の表を使って診断してみてください。A項目が2つ以上、またはA項目1つとB項目2つ以上あてはまる方は「冷え性」の可能性が大きいといえます。

A項目 他の多くの人と比べて“寒がり”の性分だと思う。
腰や手足、あるいは身体の一部に冷えがあってつらい。
冷房のきいているところは身体が冷えてつらい。
手足が他の多くの人より冷たい方だと思う。
夏でも手が冷えることがある。
とくに冬には足が冷たくて寝つけないことがある。
B項目 「冷え」のつらさはここ数年続いている。
身体全体が冷えてつらいことがある。
冬とか寒い日などは小便がとても近くなる。
他の人よりも自分の顔色は青白い方だと思う。
足が冷えるので夏でも厚いクツ下をはくようにしている。
たえず手足に冷えを感じる。
冬になると冷えるので電気毛布や電気敷布、あるいはカイロなどをいつも用いるようにしている。

冷え性の原因は

 実は現代医学の教科書には、このような病名は載っていません。ほとんどが漢方医学や民間療法の世界です。体温を調節する機能という面から考えますと、血液を運搬する血管や、その拡張や収縮、発汗量を調節する自律神経、身体がエネルギー(熱)を作る量を調節する種々のホルモンなどが相互に影響して体内の温度をできるだけ一定に保つようにしています。つまり、体温が上がった時はそれをできるだけ発散させるために汗を出したり、皮膚に血液を送る血管は拡がってピンク色の皮膚になり、寒い時は血管は縮まり、体温を逃がさないようにします。このような調節がうまくいかないのが冷え性だと考えられます。


「冷え性」を治すには

 では、冷え性を治すにはどうすればいいのでしょうか。原因がある場合はまずその原因を取り除く必要があります。甲状腺ホルモンが低下する病気や血管が病的に細くなっている人はそれらの治療を先にする必要があります。無理なダイエットもやめましょう。冷え性体質の方は、まず、冷えを助長しない服装をし、体を冷やす飲み物や食べ物を避け、温める食べ物(生姜やねぎ、にんにくなどの香辛料もよい)をとることをお勧めします。他には、自律神経を安定させるために週2-3回、30分程度の運動をする、冷暖房のない環境にも慣れ、体温調節機能を鈍らせない、というようなことも効果が期待できます。冷え性の方の治療薬は漢方薬が多く、漢方薬を処方する医療機関で自分に合う漢方薬を探してみるのも一つの方法です。

 
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